【映画】父親たちの星条旗

制作が発表されてから今年もっとも楽しみにしていた映画。

父親たちの星条旗を先月見てきた。硫黄島の戦いをアメリカ側と日本側の双方から描く二つの映画を巨匠クリント・イーストウッドが描いている。『父親たちの星条旗』はアメリカ側を描いた作品。

激闘の硫黄島でローゼンタールがピューリッツァー賞を受賞することとなる、一枚の写真、擂鉢山の頂上に旗を立てている写真(下から二番目)は、本国アメリカの民衆を熱狂させ、アメリカを勝利に導くものと確信させる。

硫黄島の戦いから凱旋させられた、旗を立てている"写真の中"の「海兵隊員たち=英雄たち」は、歓迎の花火と民衆たちの熱烈な歓喜の渦を、大砲の鳴り響く地獄の戦場とオーバーラップさせる。戦場の出来事のすべてを知る、若き海兵隊員の苦悩ははかり知れない。一枚の写真が巻き起こした全米におよぶプロパガンダは、戦争の"原理と政治"の矛盾の中でますます英雄たちの心を苦しめて行く。

ローゼンタールのかの写真は人を引きつけてやまない。圧倒的なエネルギーを持ったもの。一度見たものは誰もが記憶にとどめる。とても強い写真である。写真が放つ魅力は時に成立のプロセスとは無関係なのだ。

戦争と政治について、写真とプロパガンダについて、そして国のために戦うということについて。いろいろな尺度において考えさせられる、実に良い映画だった。苦しいけど見てもらいたい。

yuji at 2006 11/23 02:28:09

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